僕の大好きないたずらなKISS3

イタズラなKISSの前半の大きなエピソード、裕樹が病気になって手術して病室でノンちゃんに出会ってそれがきっかけで直樹が医者になっていくエピソードなんですがコミック版と韓国版、台湾版と見比べました。
コミック版は割とあっさりと、エピソードが進んでいき、後々への伏線のエピソードとして進んでいきました。
韓国版はコミックからちょっと離れた感じでエピソードが展開していきました。病気になったのはお菓子の食べ過ぎで、スンジョ君似合いたくて家まで来てしまったハニが偶然それを見つけて病院に連れて行くというストーリーになり最初にハニがスンジョに連絡した時もなんでおまえがそこにいるんだていっていました。そんな感じでエピソードの始まり自体もとってつけた感じであまりうまくつながっていない気がしました。でもこのあたりからハニ、チョ・ソンミンなんですけど演技になれてきたというか急にうまくなってきたというか結構良い感じでエピソードはクリアしていきました。
台湾版はコミックにほぼ忠実にエピソードが進んでいき、さらにおまけまでくっついていました。コミックでも最初、琴子が作ったとんでもない色の夕食を裕樹が食べてそれが元で病気になったのでは、と言うことで琴子が大慌てしたのですがその慌てぶりがアリエル・リンのすごい演技でびしびし伝わってきます。でも入江君に裕樹を頼むと言われて必死に勇気を振り絞るところがほんと良かったです。そして手術が終わって入江君が駆けつけた時、気が張っていたのがほどけて安堵して入江君の胸で泣くところも良かったです。
さらにおまけの2回目のキス、原作ではペンションに行って森の中のベンチで寝ているところをキスされ、それを裕樹が見ている。というエピソードなんですがあまりにも唐突で前後とのつながりがピンと来なかったのですが、まあイタズラナキッスという題名だからこんな設定もありかなとおもったのですがそれにこれがないと最後の方でのお母さんと裕樹のエピソード「お兄ちゃんは琴子(ハニ)が好きだよ」が成り立たないのでまあよしとしようと思いました。
台湾版ではこの二回目のキッスがもっと大きな意味を持って出されてきました。琴子が裕樹を心配して心配して疲れ果てて病室のソファーで寝てしまったのを直樹がいとおしそうに眺め思わずキスをしてしまった。それを裕樹に見られた。という風に変えてきました。これは後に直樹が裕樹になぜ琴子を好きになったのかを語るときに言っていた「琴子は自分が出来ることの90%はすることが出来ないでも自分が出来ない残り10%を完璧にやり遂げてしまうんだ。」これをこの時初めて感じたという作りに持って行ったのでこのエピソードがほんとに重要な意味を持つエピソードとして前半の真ん中での大きな盛り上がりにつながっていきました。琴子はいわば他人でもある裕樹を本当に自分の身内のように全身全霊でもって心配して助けてくれた。そんな心根の持ち主、そんな心根の持ち主の琴子が自分を本当に慕ってくれているそれがうれしくて、愛しくて思わずキスしてしまった。それが本当に良く伝わってくる良い場面でした。直樹が琴子を見る目がほんとに良かったです。「どうしたらそんなに一生懸命になれるんだ」という直樹には理解しがたい琴子に対する興味からついにここで自分にない物を持っている、自分にとっては宝物のような存在へと変わっていった重要なエピソードになったと思います。そしてここからノンちゃんとの出会いのエピソードと琴子の何気ない思いから直樹の一生を左右する決断へと導かれていきました。