腕輪物語7

霜降り山脈を越える前に、中民族はすでに半足、素塔、前側という、互いに幾分異なる三種族に分かれていた、半足族は、後の二つの種族に比べて皮膚に色が茶色っぽく、また、体も小さく背も低かった。また、あごひげがなく靴も履かなかった。
手足が器用で俊敏だった。そして、高地や山腹を好んだ。
素塔族は体月はずっとがっしりして、肩幅があり、手足が大きくて、平地や川辺を好んだ。前側族は皮膚の色が比較的白く、紙は、金髪に近くて背も高くすらっとしていた。彼らは林や森を好んだ。
半足族は昔、胴太族とかなりつきあって、霜降り山脈の麓に長い間住んでいたのだが、早くから西方への移動を始め、ほかのものたちがまだ荒れ地にいる頃、すでに人形地区の風見が丘まで彷徨い歩いていた。彼らは中民の中では最も尋常、代表的な種族で、人数も断然多かった。彼らはとりわけ一地点に定住することを好み、トンネルや穴の中に住むという先祖代々の風習を最も長く守ってきた。
素塔族は大河安土内の岸辺に長くとどまり、人間たちをさほど恐れなかった。