2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

腕輪物語7

霜降り山脈を越える前に、中民族はすでに半足、素塔、前側という、互いに幾分異なる三種族に分かれていた、半足族は、後の二つの種族に比べて皮膚に色が茶色っぽく、また、体も小さく背も低かった。また、あごひげがなく靴も履かなかった。 手足が器用で俊敏…

腕輪物語6

その頃、つまり中津国第三紀は、すでに遠い過去となり、全土が姿を変えてしまっているが、その頃中民たちが住んでいた地域は、今なお彼らが細々と立ち去りがたく暮らしている地域と明らかに同じである。すなわち、大海の東、旧世界の北西部である。中民族の…

腕輪物語5

彼らは小さな種族である。 ぼっち小人よりも小さい。背の高さがそれほど変わらない場合でも、ぼっちほどでもずんぐり、がっちりもしていない。 中民の背丈は、我々の尺度でいえば1メートル。1.5メートルに達するものはほとんどいない。 彼らにいわせると…