ホタルノヒカリなのに星から来た男

星から来た男を見ました。ク・ドンベクさん、猟奇的な彼女つながりでなんの予備知識もなしに日曜、朝5時からカウチソファーに座ってみました。今見終わって15分以上立ちますが涙が止まりません、これもまたとんでもない映画だと思いました。
これは悲しみの映画であるとともに怒りの映画だと思いました。
最初はねじの緩んだおじさんがスーパーマンに魅せられて人助けをしてその純朴さにヒロインが心打たれてしまうような映画かなと思いましたがぜんぜん違いました。最初はコミカルな場面がいくつも出てくるのでそう思ってしまうのですが、実は最初にシーン、道に主人公がうつぶせに倒れているのに周りを歩く人が全く関心無く通り過ぎていくここに怒りの原点が込められていると後で気がつきます。地球問題の温暖化なども出てきますが根本はこの他の人に対する無関心、現代社会が日本が韓国が同じように抱えているこの問題に対して痛烈な風刺を込めてこの映画を作っているのではと思いました。困っている人を助けてあげる言葉にすれば簡単な様なことですが実際やるとなれば大変なことです、実際にやっている人を見れば私たちはスーパーマンを見ているように思うでしょう。
でも前は普通にやっていたそんなことまでできなくなってきている、相手を気遣う事、すんでいる地球だけでなく周りの人たちに対しても気遣う事のできなくなってきている私たちに対しての強烈な揶揄をしていると思いました。
それは愛する妻と子供を目の前で亡くし正気を失った、あるいは失ったふりをしなければ生きていけなかった男の姿を借り私たちに語りかけてきます。過去はもう変えられない、世界も一人では変えられない、でもでも誰かの未来は自分が助けることによって変えられる。だから人助けをするんだ、喜ぶ人がいるから。
そして最後の任務を果たして12人の人を救った主人公、最後の満足した安らかな顔は忘れることができません。彼が名優だと言うことがほんと良く解りました。