ホタルノヒカリなのに猟奇的な彼女3

もうなぜか止まりません、今日、日本語吹き替えで4回目見ました。見るたびにほんと新しい発見が次から次へと出てきます。いったいどれだけの思いを込めて作られた映画なんだろうと驚いてしまいます。
今回、目を引いたのは彼女がキョヌを本当に好きになっていくところです。初めて彼女がキョヌにあったあの地下鉄でぶっ倒れる前にキョヌを間違えてダーリンと呼んだことから、何となく彼と錯覚するほどキョヌは似ている、しかもダーリンと呼ぶことで将来誓い合った深い仲なんだというのを想像してました。そしてキョヌに彼の面影を求めると言うことも理解できていました。でもそんな風につきあっているうちに彼とは違うキョヌ自身を好きになり始めた自分の心に気がつき、戸惑い、心が揺れ動きはじめたのをその表情、行動で表現したその演技に脱帽です。はじめは二人の体の距離がだんだん近づいていったことに気がつきました。腕を組んだり、ベンチに座るときの距離です、次に目線です、会ったすぐは、どこか遠くを見つめているような目線かにらみつけるかのどっちかだったのが目を見るようになって行き、熱い視線を時々送るようになって行きました。極めつきはあのお見合いの席、キョヌが帰ってから、見合い相手からキョヌがいった彼女を守る10箇条を聞いたとき、はっきりと自分の心が解ったときのあの表情、キョヌを求める好き好きビームが目から出ているのがはっきりと解りました。そして地下鉄の駅で再会したとき思わず抱きついてしまった自分に戸惑い、またいつもの様に「誰が抱きつけていった」てぶん殴ったのですが、前とは違って目をつぶって殴っていました、しかも少しはよけなさいよと気遣う言葉まで添えて、前なら目をひんむいてにらみつけて殴っていたのに、個人的に一番涙が出たのは地下鉄の放送室で係員の放送に強引に割り込もうとする彼女のあのキョヌ、キョヌと叫ぶところですなぜかあそこがキョヌに対する感情がすごく出ているように感じで涙があふれて止まりませんでした。キョヌもその声に気づいて走ってくるのがモニターに映ったときは感極まりました。
そしてもう一つ、芸が細かいと思ったのはラストシーンで彼女がおばさんに「彼を忘れるためにイギリスに行ってきました。だいぶ楽になりました」。と言ったらおばさんが「そんなこといったら天国の息子が寂しがるわ」と返したとき「いいえ、彼ならきっと喜んでくれるはずです」と応えたところです。これってあの脱走兵のエピソードで彼女が言った「本当に愛していたなら彼女の幸せのために彼女を自由にしてあげるべきだ」といった台詞とつながっているんだと思いました。私も彼も本当に愛し合っているから私が彼から自由になるのは彼も喜んでくれるはず、そこから来た言葉だと気がつきました。
そして直後にキョヌとの再会、彼のことを忘れようと3年も努力してきてその努力に運命が偶然という架け橋でキョヌとの再会を実現させてくれたことに対する喜びがあの涙となって彼女の目からこぼれ出たのだと思いました。