ホタルノヒカリなのに猟奇的な彼女

猟奇的な彼女を見ました。結構有名な映画だったのですがなぜか機会がなくやっと見れました。
独特な空気感というか何か変わった雰囲気を感じました。2002年の映画と言うことで10年前です。
映像はドタバタのラブコメです、でも何かが違う、ヒロインの頭の傾け方、目の表情、意味のないような台詞、きつい台詞(ぶっ殺すぞ)(死にたい)、でもこれらの裏に何かあるように見せるやり方、うまいです
それを優しく受け止めなんとか慰めてあげようとするけなげな男の子、ほっとこうと思っても思ってもどうしてもヒロインを受け止めてしまう優しい心根を持った男の子、そんな男の子を振り回してしまう事をいけないことだと解っていながらもまた甘えてしまう自分が心苦しいヒロイン、そんな葛藤を淡々とラブコメのドタバタに隠して見る人に伝えてきます。特に前半戦の最後、脱走兵に男の子が人質とらえられてそれを助けるためにヒロインが愛について脱走兵に語るシーン、なんかすごくいいです。
一番胸がキューと締め付けられたのがヒロインのお見合いの席になぜか呼び出され同席させられてしまう、まさに猟奇的(あり得ない、変わっていると言う意味らしいです)で普通ならやりきれなくて黙って立ち去るところなのに相手の男に彼女のことを色々教えてあげて、彼女のために自分のプライドまで捨てて尽くしてくれる、そんな男の子の心に気がついたとき彼女が我を忘れて男の子を追いかけていくところ、泣きました。
これで二人はうまくいくのかなと思ったのにヒロインの心の傷は思いの外大きく、いくら男の子が慰めても立ち直ることができない、それでもどんな無茶ぶりをしても彼女の言うことを聞いてやってしまう男の子に向かって山の頂上で涙を流しながら叫んで謝るヒロイン。この場面も良かったです。

タイムカプセルの中の手紙のエピソードも良かった。

心にしみることばもあります。思い出の木の下でおじいさんのいったことば「運命は努力した人に偶然という橋を架けてくれる」、男の子は一生懸命努力してましたね。

ラストはほんとに偶然という橋が架かってハッピーエンドでした。

満足度122.3%、お気楽に見て、心温かくなれるいい映画でした。

連続ドラマを見ていると映画の話の進み方は早くてなかなかついて行けなくて、もっとじっくり人物などを描いてほしいなと思ったりするのですがちょっとした仕草や、台詞からその人を想像するのも映画の楽しみかなとこの映画を見て思いました。

でも、16話ぐらいで2012年度版「猟奇的な彼女」作ってくれないかなと思います。日本の草薙さんと田中さんのドラマはあまりにも日本的になっていて軽さがなかったから、軽くて、楽しくて、それでいて心にしみて、暖かいそんなドラマ見てみたいです。僕の好きな(明日に向かってハイキック)みたいな。