プロの匠の技?、奇跡、偶然ホタルノヒカリ

ホタルノヒカリ1を見て思いました。これは非常に良くできたラブコメディー。
上がって下がって波瀾万丈、小技も効いて最後一ひねり、とてもおもしろかったです。
でも、最後のほう二ツ木さんや要さんがすごくいい味を出し始めた頃少し趣が変わってきたかな
と感じました。惚れたはれたというやりとりから人を好きになるとはという方に一歩踏み込みはじめ
それがまたドラマにおもしろさを、深さを与え大成功だったと思います。
そして2が始まりましたがそれはラブコメディーでもない、ホームコメディーでもない何とも不思議なドラマでした
でもなんて居心地のいい、見心地のいいドラマでした、そして何回も、一気に見たくなる摩訶不思議なドラマ、どこがこんなに引きつける魅力があるのか。
話が特別おもしろいわけでもなく、どこにでもある話、それがだいたい予想道理に静かに進んでいく、もちろん綾瀬さんも藤木さんもすばらしい演技であることは間違いないのですが、また脇の人たちもいい演技しています。
結婚とはという大きなお題があり毎回それに節約とは、我慢とか専業主婦とかラブラブとか小さなテーマが出てきてそれに沿って話が進んでいく。出演者はそのキャラクターならこう行動するだろうということを一生懸命演じています。
もちろん上がったり、下がったりの波はこのドラマにもあり大波、小波だったり、さざ波だったりしても決して津波はきませんでした。くるぞ、くるぞと予感させても結局は寄せ波だったりしました。
どっかこんな話、見覚えがあるなと思っていたらひょっとして「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」の世界?
この世界では毎年、毎年、季節の話題でそのキャラクターがキャラクターらしい行動をして物語が進んいます。
まるですぐお隣さんにでも本当にいそうで、実はイナイイナイわかるけど本当はイナイよと思うような物語だと思っています。でもそれがそのキャラクターが本当に生きているような現実感と共感を持たれ愛され、飽きることない長寿番組となって現在も続いています。
両方の世界に共通していえるのは、話があまり詰め込まれていないということです。
おもしろいドラマにしようと思うとがんばるあまりいっぱい話を詰め込んでしまうというということがしばしば
発生してしまうことってないでしょうか。秋にあったスペックというドラマですが、ケイゾクの世界を次いで
非常におもしろい設定で見所満点で毎週、毎週楽しみで待ちきれませんでした。でも見終わってしまうと妙に疲れて、謎も残ったままですっきりせず、妙な満腹感で一回見直しただけでもいいかなと思ってしまいました。もちろん
ぎっちりと詰め込まれた、ジェットコースターのような話が好きな方もお見えでしょう。
でも、トリックのようにマンネリのようでいてちょっとひねって小技が効いていて妙にまったりとした不思議なドラマを作った堤さんにしては張り切りすぎちゃったかなと思いました。
ちょっとくどくなりましたが、要はドラマに対してその話の流れを楽しむのか、そのドラマの世界を楽しむのかの違いで「ほたるのひかりは2」は後者にチャレンジしたということだと思います。
人によっては話がマンネリだとか同じ話が何回も出てくるとか、くどいとかぐずぐずした展開だとか引っ張りすぎだとかのご意見が出てくると思います。
そこをいかにして脚本家、演出家、俳優が協力してすばらしい仕事をすると、ご批判のところが全く逆にすべてすばらしい伏線と、気持ちのいい間に変わってドラマを大きくふくれ上がらせ、すてきな世界を作り上げていくことができたのではないかと思います。
たとえば、1話で桜木さんに「すてきなOL」とホタルさんが言われたとき、うれしくて、うれしくて早くぶちょーに知らせたくて懸命に走っていくホタルさん、本当に一生懸命走っています、しかもそれを長々と2カットも
綾瀬さんご苦労さまでした。ここのところなんですね、3年間も大好きな部長と離れて一生懸命仕事をしてきたのに
帰ってきたら何も変わっていない、いったい何をこの3年間してきたんだといわれ落ち込んでいたのに、後輩に思いがけない言葉をもらってこの3年間がんばってきたことは無駄ではなかったと思った喜びを表現するのにこの一生懸命走っている姿を見て感じて、想像してもらおうとして2カットも走ってもらったのではないかと思います。
これがいきなり部屋に駆け込んで部長に報告しただけなら喜びも、感動も全く薄ペラなものになっていたのではと想像します。
こんな様な仕掛けがまだまだいっぱいあります。節約だとか、イベリコ豚、ゴーヤ、煮干し、ラブラブとかいっぱい
楽しく想像しちゃう小道具や、台詞の間、ホタルさんやぶちょーの独り言これも絶妙です。こんな助けもあってこのドラマはまったり、ゆったり、安心してみれる、サザエさんの様なドラマになったのではないかと思います。またこのような世界に楽しく遊べる人にはホタルノヒカリ2は絶賛の評価をつけることになるし、1と比べるとちょっと、余りよい評価をつけない人と分けることとなったと思います。