腕輪物語3

中民(ちゅんみん)について
この本は、主に中民について書かれている。
それでこれをお読みになれば、中民の特質があらかた納得されるでしょう。
またその歴史も多少おわかりになると思います。
元々この中民について書かれた物語は、この世に名を知られるに至った最初の中民、「健坊」自身によって書かれ、
「健坊」自身によって名付けらた「行きて帰りし物語」の最初の数章が底本となっている。
この題名は、健坊の東への旅と、そこからの帰還が語られているからである。
さて、この時の冒険が後に中民全体を、大事件に巻き込む事態に至ったのだが、それを述べたのがこの本である。
しかし読者の中には、この中民という注目すべき種族について最初からより多くのことを知りたいという方も大勢おられよう、
そういう方々のために、ここに比較的大切な点を、中民伝承学から収録して、若干の解説として、併せて簡単に最初の冒険に触れようと思います。